「ちゃんと話を聞いているのに、なぜかかみ合わない。」
「同じ言葉を使っているはずなのに、伝わらない。」
人間関係でこうした経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
実はこのすれ違い、あなたの聞き方や伝え方の問題ではありません。
認知科学の視点から見ると、すれ違いが起きるのはごく自然なことだとわかります。
人はそれぞれ「違う現実」を見ている
認知科学では、人間は現実をそのまま認識しているのではなく、過去の経験・記憶・価値観というフィルターを通して世界を解釈していると考えます。
これを「内部表現」と呼びます。
つまり、同じ出来事を見ていても、一人ひとりが見ている「現実」は異なり、
同じ言葉を使っていても、その言葉が指し示す内部表現は人によって違うのです。
例えば「感謝する」という言葉。
ある人にとっては「ありがとうと口に出すこと」かもしれません。
別の人にとっては「相手の存在をただ受け取ること」かもしれません。
言葉は同じでも、頭の中に浮かぶ景色はまったく違います。
「思い」と「感情」、たった一語の置き換えで変わったこと
私自身、このことを痛切に感じた経験があります。
ある方のブログを、10年分読み続けたことがありました。
何かが変わるヒントがあると思って。
でも、どれだけ読んでもしっくりこない。
「自分には向いていないのか」と思いかけた時、ふと気づいたことがありました。
その方が繰り返し使っていた「思い」という言葉を、私の内部表現である「感情」に置き換えてみたのです。
するとどうでしょう。
10年分の言葉が、一気に通っていきました。
すれ違っていたのは内容ではなく、言葉に紐づく内部表現だったのです。
コミュニケーションのすれ違いを減らす、認知科学的なアプローチ
では、すれ違いを減らすためにはどうすればいいか。
認知科学的には、以下の視点が有効です。
① 相手の言葉の「定義」を確認する
「あなたにとってそれはどういう意味ですか?」と聞くだけで、すれ違いの多くは防げます。
これは疑うのではなく、相手の内部表現に近づこうとする行為です。
② 自分の内部表現を自覚する
自分がある言葉を使う時、頭の中にどんな景色が浮かんでいるかを意識してみます。
自分の内部表現を知ることで、伝える言葉の精度が上がります。
③ すれ違いを「当然のこと」として受け取る
育った環境も、経験も、価値観も人それぞれで、当たり前です。
すれ違いはミスではなく、それぞれが違う世界を生きている証拠です。
この前提を持つだけで、人間関係の見え方が変わります。
すれ違いはあなたのせいではない
人間関係のすれ違いは、聞く力や話す力の問題ではありません。
一人ひとりが異なる内部表現を持ち、異なる世界を生きているという、人間の認知の仕組みから生まれるものです。
「この人にとって、この言葉はどんな景色なんだろう」
そう問いかけてみるだけで、人との関わりは少しずつ変わっていきます。
それが、認知科学の視点から、私が伝え続けていることです。
最後に
「なぜ伝わらないのか」
「なぜすれ違うのか」
頭ではわかっていても、日常の中で活かせなければ意味がありません。
氣幸師ならではの視点で、日常のコミュニケーションに引き寄せたヒントを、メルマガで綴っています。
よかったら、のぞいてみてください。
氣幸という名の、小さな魔法。
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