「私には無理」が当たり前になるまで~RASと現状観察の話

情報はたくさん集めた。
でも、何も変わらなかった。

そういう経験をしたことがある方に、今日はひとつの話をしたいと思います。

認知科学に「RAS(網様体賦活系)」という概念があります。

難しそうな名前ですが、仕組みはシンプルです。


RASとは何か――脳の「フィルター」のこと

私たちの脳は、毎秒膨大な量の情報を受け取っています。
視覚、聴覚、感覚。そのすべてを処理しようとすると、脳はパンクしてしまいます。

そこでRASが働きます。

RASとは、脳幹にある神経のネットワークで、「自分にとって重要な情報だけを意識に届ける」というフィルターの役割を持っています。

たとえば、新しい車を買おうと決めた途端、街中で同じ車ばかり目につくようになった、という経験はありませんか。

車の数が増えたわけではありません。
RASが「その車は重要だ」と判断して、意識に届けるようになったのです。

つまり、RASは「自分が重要だと思っているもの」しか見せてくれません。


「変われない」のは、努力が足りないのではない

ここで問題が起きます。

「私には無理だ」「もう遅い」という思い込みを持っている人のRASは、その思い込みを裏付ける情報ばかりを集めます。

うまくいかなかった経験。
年齢を感じる瞬間。
他の人との差。

逆に、自分がすでに持っている強みや可能性は、RASのフィルターにかかって意識に届かなくなります。

努力が足りないのではなく、見えている景色そのものが偏っているのです。

だからこそ、現状観察が必要になります。

今の自分のRASが何にフォーカスしているのかを、まずそのまま見ること。

良い悪いの判断をせずに、ただ観察すること。

それが、フィルターを書き換える最初の一歩です。


私自身の話をします

以前の私は、長い間、社会と距離を置いていました。

当然、RASは「私には人と関わる力がない」という方向にフォーカスしていました。

うまくいかない場面ばかりが目に入り、できていることは見えない。
その繰り返しでした。

認知科学を本格的に学び、自分自身に氣幸を実践し始めたのは、そういう状態からでした。

最初に変わったのは、大きな何かではありません。

現状観察を続ける中で、「あ、これは私にもできるかもしれない」という小さな気づきが、じわじわと積み重なっていきました。

そしてある時、参加しているコミュニティのリアル講座に出席してみました。
最初は主催者や仲間のサポートがあって、それでもかなり勇気が要りました。

でも、気がついたら、以前は私には無理と思っていたことが当たり前になっていました。

去年の8月には、石垣島で開催された研究発表会にエントリーしていました。

自分でも、驚きました。


RASは書き換えられる

RASのフィルターは、固定されたものではありません。

現状観察によって「今、自分のRASは何を重要だと判断しているのか」を知ること。

そして、少しずつ「重要なもの」を更新していくこと。

それがRASを書き換えるプロセスです。

一気には変わりません。
でも、じわじわと確実に、見える景色が変わっていきます。

私自身がそうでした

変わったのは意志の強さではなく、見えているものが変わったからだと、今は思っています。

「変わりたいのに変われない」と感じているなら、努力の量を増やす前に、自分のRASが今何にフォーカスしているかを観察してみてください。

そこに、変化の入口があります。


最後に

私のメルマガでは、氣幸(現代気功×認知科学)の視点から、こうしたテーマを日常の言葉でお届けしています。

「なぜ頑張っているのに前へ進めないのか」を、簡単な言葉で「あ、そういうことか」という感覚で受け取っていただけるよう心がけています。

ご興味があればぜひ読んでみてください。

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