「また失敗したらどうしよう」
何か新しいことを始めようとしたとき、
そんな不安が出てくることがあります。
まだ何も起きていないのに、
「前も失敗した」
「私には向いていない」
「どうせ今回も無理」
と考えてしまうことがあります。
なぜ私たちは、
過去の経験を未来の判断にまで
持ち込んでしまうのでしょうか。
認知科学の視点から見ると、
そこには、
脳が過去の経験をもとに未来を予測する働きが関係しています。
脳は、過去の経験から未来を予測する
私たちは、目の前の出来事を
毎回ゼロから判断しているわけではありません。
これまでの経験や記憶を参考にしながら、
「次はこうなるかもしれない」
と未来を予測しています。
たとえば、
以前に人前で話して失敗した経験があれば、
次に人前に立つとき、
「またうまく話せないかもしれない」
と考えることがあります。
一度、努力しても結果が出なかった経験があれば、
「頑張っても意味がないかもしれない」
と思うこともあるでしょう。
これは、単なる「弱気」ではありません。
過去の経験を使って、
まだ起きていない未来を予測しているのです。
「できない」と考えているとき、
私たちは未来を見ているようで、
実は過去のデータをもとに未来を予測しています。
ここに、
過去が現在の判断に入り込む仕組みがあります。
記憶は、過去の映像をそのまま再生しているわけではない
もう一つ、興味深いことがあります。
私たちが過去を思い出すとき、
記憶を録画映像のように、
そのまま再生しているわけではありません。
そのときの状況や感情、
現在の自分の状態などによって、
過去の出来事の捉え方が変わることがあります。
だから、
「前に失敗した」
という出来事と、
「私は失敗する人間だ」
という現在の自己判断は、
本来は同じではありません。
ところが、
この二つがいつの間にか結びついてしまうことがあります。
一度の失敗が、
「また失敗する」
↓
「私は向いていない」
↓
「だから、やらないほうがいい」
という未来の予測につながっていくのです。
「できない」は、事実ではなく予測かもしれない
ここで、一度立ち止まってみます。
「私はできない」
という言葉が出てきたとき、
それは本当に現在の自分についての事実でしょうか。
それとも、
「以前の私は、できなかった」
という経験から、
「今回もできないだろう」
と未来を予測しているのでしょうか。
この二つは、似ているようで全く違います。
過去に失敗したことは、事実かもしれません。
でも、
「だから、これからも失敗する」
は、事実ではなく予測です。
この違いに気づくことは、
過去の経験に振り回されないための大切な視点になります。
過去の経験は、未来を決めるものではない
過去の経験には意味があります。
失敗したからこそ
分かったこともあれば、
傷ついたからこそ
避けたいことも分かれば、
うまくいかなかったからこそ、
次に考えられることもあります。
だから、過去を消す必要はありません。
大切なのは、
過去の経験を「未来の確定事項」にしないこと。
「前はこうだった」
と、
「これからもこうなる」
の間には、まだ決まっていない部分があります。
もし今、
「私には無理」という思いが出てきたなら、
「これは事実?」
それとも、
「過去からつくられた予測?」
と問い直してみると、
すると、これまで一つに見えていたものが、
「過去に起きたこと」と
「これから起きるかもしれないこと」
に分かれて見えてくるかもしれません。
その違いに気づいたとき、
過去の経験は、あなたを縛るものではなく、
これからを考えるための「情報」に戻っていきます。
過去は、あなたの人生の一部です。
でも、
過去のデータから予測された未来まで、
そのまま採用する必要はありません。
もっと深く、自分を知りたい方へ
過去の経験が、
今の自分の選択をつくっている。
でも、そのすべてが
「今の自分」に必要とは限りません。
氣幸師NORIKOのメルマガでは、
気と科学の視点から、
心と身体、自分自身との向き合い方のヒントを
さらに深くお届けしています。
自分を変えるのではなく、
自分を知ることから。
👇氣幸師NORIKOのメルマガ登録はこちら
【メッセージ・ご質問を募集中】
note質問箱を始めました!
現代気功や認知科学に関するご質問、日々の気づきや感想など、
こちらから匿名でお送りいただけます。
「こんなこと聞いていいのかな?」という内容でも大歓迎です。
ぜひお気軽に活用してくださいね😊
