その罪悪感、性格のせいじゃないかもしれません
「お金が欲しい」と言うと、なぜか気が引けてしまう。
そんな感覚を持ったことはないでしょうか。
昇給を素直に喜べなかったり、
値上げ交渉をためらってしまったり。
心当たりがある方もいるかもしれません。
実はこれ、単なる性格の問題ではありません。
認知科学に「スキーマ」という概念があります。
私たちが無意識に使っている「型」のことで、
一度できあがると、
新しい情報もその型に沿って解釈されやすくなります。
「清貧」という型が、お金を遠ざけます
日本には「清貧」を美徳とする文化的背景があります。
「武士は食わねど高楊枝」に象徴されるように、
お金を欲しがることは品がない、というスキーマが、
子どもの頃から形成されている方は多いはずです。
このスキーマがあると、
収入が増えても、昇給を素直に喜べなかったり、
正当な値上げ交渉を切り出せなかったりします。
お金そのものではなく、
「お金=欲深いもの」という型を通して
物事を見てしまっているのです。
この型には、もう一つ落とし穴があります。
「貯めることは正しい」という思い込みです。
「給料もちゃんと貯金してきたのに、
このご時世、手元のお金だけではやっていけない」
そう感じている方も、少なくないはずです。
真面目に貯めてきたことは、間違いではありません。
報われない感覚があるのは、
「貯める=正しい、増やす=欲深い」というスキーマのまま
物価が上がり続ける時代に向き合っているからかもしれません。
スキーマとどう付き合うか
① スキーマの存在に気づく
「言いにくい」と感じたら、
「自分の中にある型のせいかもしれない」と
一歩引いて眺めてみてください。
それだけで、罪悪感に飲み込まれにくくなります。
② 「いくら欲しいか」より「なぜ言いにくいか」を見る
目標金額を決める前に、
お金にどんな意味を貼ってきたかを書き出してみてください。
出てきた言葉が、あなたのスキーマのヒントになります。
③ 小さく言葉にする練習をする
いきなり大きな金額でなくて、
「これくらい欲しい」と、
日常の小さな場面で言葉にする練習を重ねることで、
スキーマは少しずつ緩んでいきます。
焦らず、型に気づくところから
スキーマは、一度の気づきで消えるものではありません。
長い時間をかけて緩めていくものです。
「貯めてきたのに、ついていけない」という感覚も、
すぐに答えは出ないかもしれません。
それでも、貯めてきた自分を責める必要はありません。
そのやり方を選んだのは、
当時のあなたにとって正しかったからです。
焦らず、まずは自分の中の「型」に
気づくところから始めてみてください。
ここまで読んでくださった方へ
「型」に気づくことと
その型を実際に緩めていくことの間には、
もう一歩、距離があります。
一人で気づいて、一人で緩めようとすると、
また同じ型に引き戻されてしまうことも少なくありません。
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