なぜ決断できないのか?情報収集が目的になってしまう心理

何かを始めようとするとき、
私たちは情報を集める。

成功した人の話を聞き、本を読み、
より確実な方法を探す。

失敗したくない。
遠回りしたくない。

できることなら、
最初から正しい選択をしたい。

けれど、情報を集めれば集めるほど、
決断できなくなることがある。

なぜだろうか。


情報を集めることで、決断を先延ばしにする

情報収集そのものは、悪いことではない。

知らないことを学び、選択肢を増やすことは、
判断するうえで役に立つ。

問題は、

情報を集めることが、
いつの間にか目的に変わってしまうことだ。

もっと調べれば、
失敗を避けられるかもしれない。

別の方法を知れば、
もっと良い結果が得られるかもしれない。

そう考えて調べ続けるうちに、
行動するタイミングを逃してしまう。

情報が足りないから決められないのか。

それとも、
決めることを避けるために、情報を集め続けているのか。

似ているようで、この二つには大きな違いがある。


正しい選択をしたい心理

決断には、責任が伴う。

自分で選んだ以上、

思いどおりにならなかったときも、
その結果と向き合わなければならない。

だからこそ、
私たちは正しい選択をしたくなる。

十分に調べてから決めれば、
失敗しても「できることはやった」と思える。

反対に、情報が足りないまま決断すれば、

後悔したときに
「あのとき、もっと調べていれば」と考えてしまうかもしれない。

しかし、どれだけ調べても、
未来に起こることをすべて把握することはできない。

それでも私たちは、
確信が持てるまで調べようとする。


すべてを知ってから決めることはできるのか

数学者クルト・ゲーデルが
1931年に発表した「不完全性定理」は、

一定の条件を満たす数学的な体系には、

その体系の中だけでは
証明できない命題が存在することなどを示している。

これは、世の中に
完璧なものが存在しないと証明した定理ではない。

ただ、数学という厳密な世界でさえ、

一定の条件下では、
体系の内部ですべてを証明できるわけではない。

人生の選択は、数学の定理とは別の話だが、

何もかも理解し、
絶対に間違いのない答えを得てから動こうとすれば、

いつまでも決められないことがある。

そもそも、

選択の先にある未来は、
事前にすべて分かるものではないのだから。


知識が増えても、現実が変わるとは限らない

私自身、引きこもりを経験するなかで、
このことを痛感した。

頭の中では分かったつもりでも、
そこは井の中の蛙だった。

理論を知っていても、
人と共存できるとは限らない。

知識が増えるにつれて、
頭でっかちになっていく。

それでも現実は変わらず、
あっという間に10年以上が過ぎていた。

頭で理解することと、
現実のなかで実践できることは違う。

実際に人と関わり、経験して初めて、
自分が分かっていなかったことに気づく。

どれだけ知識を集めても、
それだけでは越えられない壁がある。


正解が分からないまま、選ぶ

何かを始めるとき、失敗しない保証はない。

選んだ道が正しかったのかどうかも、
進んでみなければ分からないことがある。

それでも、
自分で決めなければ、何も始まらない。

必要なのは、
すべての情報を集めることではなく、

不確かな部分が残っていても、
自分で選び、その結果を引き受ける覚悟なのだと思う。

思いどおりにならなければ、

やり方を変えることもできる。
別の道を選び直すこともできる。

最初から正解を選ぶことだけが、
人生を前に進める方法ではない。

自分で選び、経験し、その結果を受け止める。

その繰り返しのなかで、
初めて見えてくるものもある。

あなたが今、情報を集めているのは、

一歩を踏み出すためだろうか。

それとも、
まだ決断しなくていい理由を探しているのだろうか。


当たり前を疑うと、世界の見え方が変わる。

目に見えるものだけが、すべてなのか。

科学で説明できることと、
まだ説明しきれないことの境界はどこにあるのか。

私たちが「常識」だと思っていることは、
本当に疑いようのない事実なのか。

氣・科学・哲学。

異なる分野を行き来すると、

一見、無関係に思えることがつながり、
今までとは違う問いが生まれてくる。

私は、そうした問いを追いかけることに
面白さを感じています。

答えを鵜呑みにするのでも、
分からないものを最初から否定するのでもない。

自分の頭で考え、確かめ、
見えている世界を問い直していく。

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