場所を変えると、脳が受け取る情報の種類が変わり、
そこから考えや行動が変わっていきます。
これは、認知科学における「RAS(脳幹網様体賦活系)」の働きで説明できます。
「変わりたい」と思っているのに、
気づけば同じ毎日を繰り返している。
これは意志が弱いからではなく、
脳の仕組み上、自然に起きることです。
脳は「いつもの情報」しか拾わない
脳には、入ってくる情報を無意識に選別するフィルター機能があります。
RASと呼ばれるこの仕組みは、
「自分にとって重要だ」と判断した情報だけを意識に上げます。
いつもと同じ環境にいると、
RASは新しい選択肢を「重要ではない情報」として無意識に除外します。
同じ環境にいる限り、同じ情報しか目に入らない。
これは意志の問題ではなく、脳が正常に働いている結果です。
ゴールは、現状の外側にある
認知科学では、ゴールを
「現状の延長線上」ではなく「現状の外側」にあるものと捉えます。
今の環境・人間関係・行動パターンの中にすでに道筋が見えているなら、
そのゴールはすでに近づいているはずです。
「頑張っているのに変わらない」と感じるのは、
今の環境のまま、今の思考パターンでゴールに近づこうとしているからです。
ゴール側の自分は、
今とは違う仕事、違う人間関係、違う場所にいる可能性が高い。
だとすれば、環境そのものを変えてみることには合理性があります。
場所を変えると、RASの基準が変わる
大きな決断をしなくても、
物理的に場所を変えるだけで、脳に入る情報の質は変わります。
- いつもと違う道を歩く
- 入ったことのない店に入る
- 一人で、知らない場所へ行ってみる
これらは、RASに「新しい情報も重要かもしれない」と
再学習させるきっかけになります。
普段出会わない人、予定していなかった会話が、
新しい環境では起こりやすくなります。
最初の一歩は、小さくていい
いつもと違う道で帰ってみる。
いつもと違う店に入ってみる。
それだけで十分です。
「変わりたいのに変わらない」のは、
脳が同じ環境から同じ情報しか拾わないという、構造の問題です。
意志で頑張るより、
まず環境を変えて、脳に入る情報を変えてしまうほうが、
再現性のある方法だと言えます。
ここまで、環境がゴール実現に与える影響について、
認知科学の視点から解説してきました。
ただ、
「知っている」ことと、
「自分の日常でどう使うか」の間には、
まだ距離があります。
RASの働きを理解しても、
- 自分にとっての「ゴール」をどう定義するか
- 今の環境の何が、ゴールの妨げになっているのか
- どこから環境を変えていけばいいか
は、人によってまったく違います。
私は普段、
こうした一人ひとり違う「現状とゴールのズレ」を、
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