なぜ同じ問題が繰り返されるのか?構造から考える原因と再発防止

人を替えても、ルールを増やしても、
同じ問題が繰り返される。

その原因は、
問題を起こした人だけにあるとは限らない。

問題が生まれる条件そのものが、
変わっていない可能性がある。

問題の原因を個人の能力や意識に求めるだけでは、
なぜ同じ問題が繰り返されるのかを説明できないことがある。

そこで必要になるのが、
「構造」という視点である。


構造とは、要素同士の関係が生み出す仕組み

組織であれば、
人、役割、ルール、情報、権限などが要素となる。

しかし、

要素を把握するだけでは、
構造を理解したことにはならない。

誰が情報を持ち、
誰が判断し、
誰に決定権があるのか。

それぞれの関係が、
人の行動や物事の結果にどう影響しているのか。

構造とは、

要素同士の関係と、
その関係が人の行動や結果に及ぼす影響を含めた仕組みである。

たとえば、
職場で確認漏れが繰り返されているとする。

担当者の注意力に原因を求め、確認を徹底するよう指示しても、
必要な情報が届いていない、

確認する時間が足りない、

最終確認の担当が曖昧になっているといった条件が残っていれば、
問題が再発する可能性はある。

個人の行動を変えるだけでは、
問題が生まれる条件まで変わるとは限らない。


行動が、問題を繰り返す仕組みを強める

構造は人の行動に影響する。

そして、その行動が
元の関係をさらに強めることもある。

たとえば、問題を報告すると
責任を厳しく問われる職場を考えてみよう。

報告した人が責められれば、
次に問題を発見した人は報告をためらうかもしれない。

報告が減れば、
管理者は現場の状況を把握しにくくなる。

問題の発見が遅れ、
対応も後手に回りやすい。

その結果、
問題が大きくなり、責任追及がさらに厳しくなる。

すると、
ますます報告しにくくなる。

ここでは、
報告をためらうという行動だけでなく、

その行動が生まれる背景と
行動によって状況がどう変化するかを見る必要がある。

関係が行動に影響し、
その行動が元の関係を強める。

こうした循環が生じると、
問題は個人を替えるだけでは解消しにくくなる。


対策を講じるだけでは、構造は変わらない

問題を防ぐために、ルールを設けたり、
確認項目を増やしたりすることはある。

実際に、それが有効な場合もある。

しかし、

対策を追加したことと、
問題を生み出していた仕組みが変わったことは同じではない。

先ほどの職場で、
報告漏れを防ぐために提出書類を増やしたとする。

報告すると責任を問われる状況が変わらなければ、
書類の提出だけが形式化し、
重要な情報が共有されない可能性もある。

必要なのは、
対策を増やすことだけではない。

何が報告を妨げているのか。
情報を必要とする人に届く仕組みになっているのか。
報告した人が不利益を受けない環境になっているのか。

問題を生み出す関係に目を向け、
必要な部分を見直すことだ。


構造を見直すとき、何を確認するのか

構造を見直す際には、次の3点を確認したい。

  • 関係: 誰が情報を持ち、誰が判断し、誰に権限があるのか。
  • 影響: その関係が、人の判断や行動にどのような影響を与えているのか。
  • 循環: その行動が問題を解消する方向に働いているのか、
        それとも問題が繰り返される条件を強めているのか。

これらを確認することで、
目の前の現象だけでは見えなかった問題の背景を捉えやすくなる。

もちろん、構造を見直せば、
すべての問題が解決するわけではない。
個人の判断や能力に向き合う必要がある場合もある。

重要なのは、
原因を最初から個人だけに限定せず、

問題が生じる条件と、
その結果として生まれる循環まで検討することだ。

問題を起こした人を特定することと、
問題が繰り返される仕組みを明らかにすることは違う。

再発を防ぐには、
目の前の問題への対処だけでなく、

その問題を生み出す関係がどう成り立ち、
どのような結果を生んでいるのかを確かめる必要がある。


問題に対処しているのに、
同じことが繰り返される。

その原因を、見誤っていませんか?

人の言動を変える。
ルールを増やす。
目の前の問題に対処する。

それでも変わらないなら、

見直すべきなのは、
問題を生み出している仕組みかもしれません。

目の前の現象を追いかけるだけでは、
見えてこないものがある。

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