「情報空間」から読み解く、SNSで思考が同じ方向に流される仕組み

SNSで繰り返される「同調」という現象

SNSを眺めていると、一人のインフルエンサーが発した一言に、
コメント欄やシェアが一斉に同じ方向へなびいていく光景をよく目にします。

「いいね」の数が積み上がるほど、
それがまるで「正しさ」の証明であるかのように見えてきます。

単に「流されている」という言葉だけでは、説明しきれない部分があって、
その光景を見るたびに、少し考えてしまいます。

ここで手がかりになるのが、
最近、認知度が高まった「情報空間」という概念です。


「情報空間」とは何か

情報空間とは、簡単に言えば、
私たちがそれぞれの頭の中に持っている「世界の見え方」そのものを指します。

私たちは、目の前の現実そのものを直接見ているように感じていますが、

実際には、自分がこれまでに得た知識・経験・信念というフィルターを通してしか、
物事を認識できません。

これが情報空間です。

そしてここで、
大切なことをお伝えしておきたいのです。

私たちは、
他人の情報空間に入ることはできません。

情報空間は、その人だけのものです。

同じ出来事を見ていても、
それぞれの人が、それぞれの情報空間の中で、まったく異なる意味づけをしています。


「取り込み」という思考のクセ

では、私たちが他人の言葉に同調してしまうとき、
何が起きているのでしょうか。

それは、相手の情報空間に入り込むことではなく、
相手の言葉を、自分自身の情報空間の中にそのまま取り込んでしまうという現象です。

思い出してみてください。

「これが常識だ」
「こうするべきだ」

私たちは、子どものころから、
親や学校の先生に、繰り返しそう言われて育ちました。

そしてある時期から、それを疑うこともなく、
まるで自分で選んだ考えであるかのように、
自分の情報空間の中に受け入れてしまったのです。

こうした情報の取り込みは、
脳が持つ「スコトーマ(盲点)」という機能とも関係しています。

人間の脳は、自分にとって重要だと判断した情報だけを選択的に認識し、
それ以外を意識から外してしまう性質を持っています。

強く、分かりやすく、繰り返し与えられる情報ほど、
この選択的認識の対象になりやすいのです。

インフルエンサーの一言も、これと同じ構造を持っています。


「抽象度」という視点を持つ

もう一つ、大切な言葉があります。

「抽象度」です。

抽象度とは、扱う情報量の大小を表す概念です。

抽象度が低い状態では、
目の前の出来事や言葉をそのまま受け取ることしかできません。

一方、抽象度を上げると、
同じ出来事や言葉に対して、
複数の視点から意味を捉え直すことができるようになります。

自分の中にある「当たり前」や「常識」を
一度立ち止まって眺め直すという行為は、
この抽象度を上げる作業そのものです。

これは本当に
自分で検証した上で選び取った考えなのでしょうか。

それとも、誰かに繰り返し言われて、
そのまま取り込んでしまった考えなのでしょうか。

この問いを持つこと自体が、
情報空間を客観的に扱うための最初の一歩になります。


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こうした「情報空間」や「抽象度」という視点は、

知識として知るだけでなく、
実際に自分自身の中にある「当たり前」に当てはめてみたときに、
初めて意味を持ち始めます。

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